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シネマにっき。

とても個人的な映画の感想を書きます。

みんな庭をしょっている。~映画 【ガーデン】

映画「ガーデン」をみました。

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とってもとっても、好きでした。

日本ではまだあまりその名が知られていない巨匠、マルティン・シュリークの作品。1995年チェコ映画アカデミー賞で、最優秀作品賞、監督賞、脚本賞助演男優賞の4部門を受賞した。

 という映画で、その良さは折り紙つきです。が、万人におすすめはしません。変わった映画だから、ハリウッド映画のような単純明快・爽快な映画が好きなひとには、おすすめできかねる。わたしは、大好き。

わたしは「セリーヌとジュリーは舟でゆく」や

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 去年みた映画では、「インド夜想曲」なんかがすごく好きだった。

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この3作品をすべて見た、という人は、はてな広しといえど、いないと思いますが、もしいらっしゃったらとても嬉しいです・・。

系統としては「不思議で心地よい空気の映画(わけわかんない映画とも言う)」というジャンルでしょうか。こんなジャンルにピンときた方には、ぜひ、自信を持っておすすめします。

 

さて、わたしがこの映画をみたわけは、私の今年のテーマが「庭を豊かにし、人を招く」なので、庭にちなんだ映画を探して観てみたのでした。もちろんテーマの「庭」というのは比喩で、家の外の庭のことではないです。

映画を見てふと自分の庭について振り返り、今年も1ヶ月が過ぎたけど、わたしは庭を豊かにしようとはしているかもしれないけれど全然人を招いてないなぁ、と思い、少し愕然としました。むしろ、我欲を満たし自分独りの悦楽のために庭を豊かにしている、人を招くどころか人には内緒でこっそり楽しむために贅を尽くしている庭だ、と思い、罪深く恥ずかしく思いました。自己嫌悪しそうになりました。

そして、この映画の主人公はどうだろう、と考えて、主人公の場合は、人を招いているのでは決してないけれど、次から次へと人がやって来るのだ、そして主人公は面食らいながらも、拒んで閉ざすのではなく、接してしばしの時を庭でともに過ごすのだ、と思いました。

人を自分の世界に招くことができたら素敵なことだと思うけど、あえて招き入れようとしなくても、人と出会い接する時にはみんな自分の世界をしょっていて、それは殺伐とした庭だったり、冷たく固い石のような庭だったり、見た目だけが綺麗に整えられた庭だったり、自然で緑濃く生き生きと数え切れない種類の植物が生命力豊かに生きていて、接するだけでエネルギーとあたたかさを与える庭だったり、力強く美しい馬がいるような庭だったりする。人をあえて招かなくても、人と接する時にはお互いの庭を少し垣間見て、時には一歩足を踏み入れたり、中に招かれて迷子になり、しばし自分を見失ったりしているのだ、と思いました。

そう思って再びこの映画を考えると、主人公は決して庭を捨てず、手入れをし、理不尽なことや変な人が勝手に庭に入っても、自分は自分のままで、ただ接する。そのありようは特別立派でもないし、ただありのままなんだけど、きっとわたしなら、もっと「閉ざす」だろうと思いました。閉ざさないということは、もしかしたら招くことよりも難しく、もしかしたら招くよりも世界が開かれるのかもしれない。

庭を豊かにして、ただ閉ざさずに人と接しようと思います。